この記事では、JetPackの代替プラグイン「Matomo Analytics」の使い方について、くわしく解説していきます。
2024.04.11)「自分のアクセスを除外する」を追加。
2024.04.16)「古いデータを定期的に削除する」を別記事に分けた。
JetPackの商用サイトでの利用について、以下の記事を参照してください。
あわせて、個人サイトで無料利用する時のJetPackの設定手順も書いています。
無料での利用が禁止となったので、代わりにGoogleのGA4を使おうとも思ったんですが、いかんせんGA4の使い方がよくわからない!
その日のリアルタイムなPVやリファラーさえわかればいいんですけどね~
その程度でもGA4だとよくわからないんです。
そんな感じでGA4をあきらめてた時に、X(ツイッター)のポストを見ていたら、「Matomo」(リアルタイムウェブ解析レポート)というプラグインが代替できそうだということがわかりました。
実際に「Matomo」を使ってみると、JetPackの代替としてなんとか使えそうなので、この記事で「Matomo Analytics」の使い方について詳しく解説していきます。
JetPackの代替ツールを探している人は、ぜひ参考にしてください!
データベースの肥大化を防ぐために、古いデータを定期的に削除する設定です。
「Matomo Analytics」のダッシュボードを自分専用に使いやすくするカスタマイズの方法です。
「Matomo Analytics」の更新処理を自分の好きな時間に変更する方法です。
JetPackの代替プラグイン「Matomo Analytics」は無料?
この代替プラグイン「Matomo Analytics」でまず気になるのがライセンス。
商用サイトでも無料で利用できるのかというのが気になるところです。
Matomo On-Premiseと同様、Matomo Analytics for WordPressは無料です
引用元:セルフホスティングWebアナリティクスが完全に簡単になりました! WordPressベータ版MATOMOの紹介
上記公式サイトにもあるように、「Matomo Analytics for WordPressは無料です」と書かれているので、商用サイトでも無料利用OKってことですね。
「Matomo Analytics for WordPress」というのは、正確には「Matomo Analytics – Ethical Stats. Powerful Insights.」という名前になります。(今回インストールするプラグイン)
ちなみに、「Matomo Analytics」では「ビジット」という言葉が頻繁に登場します。
これは「訪問」のことで、「Matomo Analytics」の解析データは「PV」よりも「ビジット」を中心にした指標となっています。
もちろん、「ビジット」とは別に、ページビュー(PV)の指標も確認可能!
「Matomo Analytics」のインストールと設定
まず、プラグイン「Matomo Analytics」が使うための準備をします。
まだJetPackがインストールされている場合は削除しましょう。
プラグインJetPackの削除
管理画面メニュー「プラグイン」の「インストール済みプラグイン」(①)をクリック。
「無効化」をクリックすると「削除の確認」画面が大きく表示されるので、そこでも「無効化」をクリックし、次に「削除」をクリック。
「Matomo Analytics」のインストールと設定
「Matomo Analytics」のインストールと設定の手順です。
設定では、以下の2つの項目を設定していきます。
管理画面メニュー「プラグイン」の「新規追加」(①)をクリック。
プラグイン名「matomo」を入力します(自動でプラグインを検索)
「今すぐインストール」→「有効化」をクリック。
WordPressのバージョンに注意!(タップで詳細を展開)
現在、「Matomo Analytics」はWordPressの6.4.3.に対応していますが、6.5は未対応です。
ただ、実際にインストールしたサイトは既に6.5にアップしていたので、このまま進めます。
トラッキングの有効化
「始めてみる」の画面に切り替わるので、「トラッキングを有効化」をクリック。
「いくつかのエラー」の確認(タップで詳細を展開)
上の画像にも表示されていますが、「Matomo 診断システムレポートにいくつかのエラーがあり、、、、」と表示された場合は、「診断」をしてみます。
管理画面メニュー「Matomo Analytics」の「診断」をクリックすると、診断結果が表示されるので、エラー(赤)や警告(オレンジ)がないか確認しましょう。
今回、2つの警告が表示されました。
どちらの警告も対応が難しいと判断したので、今回はこのままで次のステップに進みます。
これで、サイト内の「トラッキング」が開始されます。
自分のアクセスを除外する
「Matomo Analytics」のデフォルトでは、WordPressの管理画面にログインした状態でも、サイトへのアクセス(行動)はすべてトラッキングされます。
つまり、自分がページにアクセスしたことも記録されるので、PVなどが余計にカウントされてしまうんですね。
サイトを開設した当初はPVもまだ少ないので、このままでは本当のアクセスがわかりづらくなってしまいます。
JetPackはその点よくできていて、デフォルトでも自分のアクセスは除外されていましたね。
「Matomo Analytics」では、トラッキングフィルター(自分のアクセスを除外)が利用でき、WordPressにログインした人の権限を指定することで除外できます。
共同でサイトを運営しない限り、ログインユーザーは自分だけなので「管理者」を除外に指定すればOKです。
自分の権限を調べる方法(タップで展開)
WordPress管理メニューの「ユーザー」→「ユーザー一覧」をクリック。
WordPress管理メニューの「Matomo Analytics」→「設定」をクリック。
「除外」タブをクリックし、「トラッキングフィルター」で「Administrator」(管理者)にチェックをつけて「保存」をクリック。
これで自分を除外する設定ができたので、以降はサイトにアクセスしてもPVやビジットにカウントされることはありません。
また、リアルタイムビジットにアクションが表示されることもなくなります。
まだリアルタイムビジットにアクションが表示される場合は、以下のようなキャッシュ系プラグインを使っていないか確認しましょう。
「Matomo Analytics」の使い方
準備ができたところで、プラグイン「Matomo Analytics」の使い方を解説します。
概要
最初に、「Matomo Analytics」の概要画面を確認してみます。
管理画面メニュー「Matomo Analytics」の「概要」をクリック。
概要画面は赤枠の選択範囲にたいして、アクセスの各種解析データがまとめられて表示されます。
使い方に慣れてきたら、Googleアップデートで「アクセスが落ちた!」なんてことがあった場合は、このダッシュボードで異変に気付くようになるでしょう。
ちなみに、この概要画面の各解析データは自動で更新されません。
レポート
続いては、いろんな種類の解析データが確認できるレポートの画面を確認します。
ダッシュボード
まずは、各解析データの詳細がまとめられているダッシュボード。
管理画面メニュー「Matomo Analytics」の「レポート」をクリック。
※概要画面の「すべてのレポートを見る」でもOK!
今日のデータを見たい場合は、日付には今日の日付を選択します。
ダッシュボードでは、以下のデータが確認できます。
- リアルタイムビジット(リアルに更新されるアクセスデータ)
- ビジットグラフ(選択した日のビジット数)
- 変動レポート(アクセス数の推移)
- ビジットの概観(アクセスの解析まとめ)
- ビジターマップ(アクセス元の国)
- チャネルタイプ(リファラー)
ビジット(訪問)
ビジット数(訪問者数)を確認します。
メニューの「ビジター」→「時間」とクリック。
ちょっと左の棒グラフがバグっておかしくなっていますが、右の棒グラフを確認すればいいでしょう。
この棒グラフは、1時間単位でビジット数(訪問者数)が表示されます。
PV(全体)
今日のPV数(サイト全体)を確認します。
メニューの「行動」→「ページ」とクリック。
この画面は、投稿ページと固定ページに分かれてPV数が表示されます。
投稿ページの左にある「+」アイコンをクリックすると各ページのURLが展開されますが、ページのタイトルはここでは確認できません。
タイトルは次のPV(ページ単位)で確認します。
PV(ページ単位)
各ページのPV数とページのタイトルを確認します。
メニューの「ビジター」→「ページタイトル」とクリック。
外部リンク
外部リンクのクリック数を確認します。
メニューの「行動」→「外部リンク」とクリック。
ここでアフィリエイトリンクなどのクリックが確認できます。
リファラー
どこからアクセスしてきたかを確認します。
メニューの「集客」→「すべてのチャンネル」とクリック。
上の画像のように、検索エンジンからのアクセスや直接アクセスした数が確認できます。
リアルタイムビジットではGoogle、Yahoo、Bingなどの具体的な検索エンジンまでわかりますが、ここではそこまで確認できません。(今後改善?)
その他の設定
その他の設定を解説します。
古いデータを定期的に削除する
「Matomo Analytics」では、アクセスデータなどのデータが随時データベースに格納されます。
このままでは、データベースの肥大化に繋がってサイトが重くなるため、以下の記事を参考に古いデータを定期的に削除する設定をしてください。
レポートのデフォルトを今日に変更する
必須の設定ではないですが、デフォルトだと概要画面を経由しないで「レポート」画面を開いた時の日付は、昨日の日付となります。
普通は今日のアクセスデータを確認したいと思うので、デフォルトが「今日」になるように変更します。
WordPress管理メニューの「Matomo Analytics」→「設定」をクリック。
「Matomo 管理者」タブをクリック。
「個人用」の「設定」をクリックし、「今日」を選択したら「保存」をクリック。
これで、WordPressの管理メニューから「レポート」画面を直接開いても、「今日」の日付になります。
また、概要画面を開いた時も「Today」になっているので、そのまま「すべてのレポートを見る」でもOK。
使う時の注意点
「Matomo Analytics」を使う時の注意点です。
レポートの更新
ビジター(訪問者)が行動(アクション)した結果は、ビジット数、PVなどにレポートとして更新されますが、その更新処理は1時間ごとに行われます。
インストール後の設定で「トラッキングを有効化」ボタンを押した時間を基点に、1時間置きに更新処理が実行されるようです。
覚えておくべきことは、
最新のレポートを確認しようとレポート画面で更新ボタン(「CTRL」+「R」)を押しても、前回更新処理が実行された時のレポートが表示されます。
つまり、次の更新処理が実行されるまでは、何回更新ボタンを押してもレポートは変わらないということです。
慣れないと、なんでレポートが更新されないの?と思うかもしれません。
操作Tips
「Matomo Analytics」の操作は一部独特なものがあるので、使いこなすためのTipsを書いておきます。
ウィジェット
「Matomo Analytics」の各画面には、解析データが収まっている「ウィジェット」が配置されています。
このままはでいろいろ確認しづらいこともあるので、ウィジェットの場所を移動したり、表示を大きくしたりして、使いやすい画面にカスタマイズしましょう。
ウィジェットのヘッダーにマウスを乗せたら、ドラッグ&ドロップで配置を変更することができます。
また、「全画面」アイコンのクリックで、大きいウィジェットが表示されてデータが確認しやすくなるので、小さくて確認しづらい場合は、全画面表示させてみましょう。
ドラッグ&ドロップでの配置替えはちょっとコツがいりますよ!
ビジターの行動解析
サイトに訪問してくれた人(ビジット)の行動(アクション)を解析することができます。
レポート画面の左メニューから「ビジター」→「ビジットログ」を選択すると、以下の訪問者ごとのログが表示されます。
次に、行動解析したい人の「ビジタープロフィールをみる」をクリック。
- デバイス情報
-
左上の赤枠部分にデバイス情報が表示されます。
Macを使っていて、ブラウザはChrome、使っているモニターの解像度が1920 × 1080ということがわかります。
アクセス元の地域は「秋田」と出ていますが、地域は必ずしも正確ではなく、僕が試しにアクセスした時には全然関係ない「千代田」と出ました。(千代田区?)
- 行動(アクション)
-
この人は以下の順番で行動しています。
- Googleで検索
- ヒットしたページを閲覧(1分29秒)
- リンクされていた別のページを閲覧
各ページの閲覧時間は、ページ情報の部分にウスを乗せるとポップアップ表示されます。
※最後に見たページだけは閲覧時間が計測されません(計測できない)
まとめ
今回解説したように、プラグイン「Matomo Analytics」は機能面ではJetPackの代替としても問題ないです。
多分、JetPackを使っていた人はこのプラグインに移行するんじゃないですかね。
まだ、使い始めて1日なので、基本的な解析データや操作しかわかりませんが、今後も使い続きて有益な情報があれば、この記事にどんどん追記していく予定です!
データベースの肥大化を防ぐために、古いデータを定期的に削除する設定です。
「Matomo Analytics」のダッシュボードを自分専用に使いやすくするカスタマイズの方法です。
「Matomo Analytics」の更新処理を自分の好きな時間に変更する方法です。