この記事では、プラグイン「All-in-One WP Migration」の最大アップロードサイズ(容量)を増やす方法について、くわしく解説していきます。
レンタルサーバーは、エックスサーバー、ロリポップ、ConoHa WINGを対象としています。
「All-in-One WP Migration」はWordPressの管理画面の中だけで、エクスポート(バックアップ)、インポート(復元)ができる便利なプラグインです。
さらに優秀なのが、独自にインポート時の最大アップロードサイズ(容量)の変更ができるので、大きいサイズのWebサイトデータをインポートする時などは、かなり重宝して使っていました。
「All-in-One WP Migration」の仕様変更により、古いバージョンを使う必要はありません。
古いバージョンについての補足
古いバージョンの「All-in-One WP Migration」では、以下の2通りの方法でインポート時の「最大アップロードサイズ」を独自に変更できました。
- 無料の拡張プラグインをインストール。
- 特定バージョン(6.68)のソースコードを修正。
1番目の方法は、拡張プラグイン「All-in-One WP Migration File Extension」をインストールすることで、無条件に512MBまでインポートサイズが拡張されます。(本体7.4+拡張プラグインで使ってたことがあります)
2番目の方法では、バージョン6.68のPHPソースコードを修正することで、任意のサイズに変更できます。
バージョン6.68を使った方法について(タップで詳細参照)
6.68を使った手順を書いてみようと思いましたが、wordpress.org(公式サイト)から6.68のプラグインファイルをダウンロードすると、ファイル名は6.68なのに中身は7.5に置き換わっていました。
開発者は6.68を使ってほしくないんだろうな~
ということで、公式サイトから6.68をダウンロードできないので手順は断念します。
本物の6.68を使ってサイズを変更する方法は、他の人が書いているのでそちらを参考にしてください。(どこからか、本物をダウンロードできるようです)
「all-in-one-wp-migration.6.68.zip サイズ 変更」でググると、沢山ヒットしますよ。
現在の「All-in-One WP Migration」は、
サーバー側の容量(最大アップロードサイズ)を増やせばOK
という仕様になりました。
プラグインではなく、レンタルサーバーの容量を増やせばインポートサイズも増えますよ!
つまり、わざわざ古いバージョンを使う必要がないってことですね。
サーバーの容量(最大アップロードサイズ)を増やすというのは、PHPの最大アップロードサイズを増やすことになります。
PHPの最大アップロードサイズは、サーバーのphp.iniか.htaccessでサイズ指定をすることで変更でき、ほとんどのレンタルサーバでは、php.iniの変更はNGでも.htaccessは編集(変更)できるようになっています。
なので、今後は「All-in-One WP Migration」に頼らなくても、PHPのアップロードサイズを変更することで、大きいWebサイトのデータもインポートできるようになります。
「All-in-One WP Migration」のインポートサイズを変更したい場合は、ぜひ参考にしてください!
「All-in-One WP Migration」を使った、エクスポート/インポートの詳しい手順を以下の記事で書いているので、エクスポート/インポートの際の参考にしてください。
最大アップロードサイズ(容量)の確認方法
プラグイン「All-in-One WP Migration」では、インポートできる最大アップロードサイズを以下の手順で確認することができます。
「All-in-One WP Migration」のインストール(タップで手順を展開)
管理画面メニュー「プラグイン」の「新規追加」(①)をクリック。
キーワードに「All-in-One WP Migration」を入力。(入力したら自動でプラグインを検索します
「All-in-One WP Migration」が検索されるので、「今すぐインストール」(①)をクリックし、次に「有効化」(②)をクリック。
WordPressの管理メニュー「All-in-One WP Migration」→「インポート」とクリック。
以下の画面で、現在のインポートサイズ(最大アップロードサイズ)が確認できます。
また、php.iniや.htaccessの変更により、変更後のサイズも確認可能。
最大アップロードサイズ(容量)と変更可否
現在、エックスサーバー、ConoHa WING、ロリポップ(スタンダード/ハイスピード)と契約していますが、各レンタルサーバー/プランごとに、最大アップロードサイズの変更可否と規定値のサイズを調査してみました。
サーバー | プラン | 編集可否 [php.ini] | 編集可否 [.htaccess] | 最大アップロードサイズ (規定値) |
---|---|---|---|---|
エックスサーバー | スタンダード | 〇 | × | 1GB(1000MB) |
ConoHa WING | ベーシック | 〇 | 〇 | 32MB |
ロリポップ(CGI版) | スタンダード | × | 〇 | 20MB |
ロリポップ(モジュール版) | スタンダード | × | × | 100MB |
ロリポップ(LiteSpeed版) | ハイスピード | × | 〇 | 100MB |
- 編集可否の列に「〇」が付いているものは、最大アップロードサイズの変更が可能。
- ロリポップの()の中はPHPの実行タイプを示す。
- エックスサーバーは.htaccessの編集ができるが、実際に編集するとサーバーエラーになるため、「×」としています。
php.iniや.htaccessの変更による影響範囲について
php.ini、.htaccessを変更(編集)した時の影響範囲(全サイトまたは、サイト限定)は異なるので、変更する場合は注意してください。
- .htaccessを変更
-
変更したサイトのみ影響を受けて、他のサイトは影響を受けません。
- php.iniを変更
-
サーバー内の全サイトが影響を受けます。
ただし、エックスサーバーはちょっと特殊で、php.iniを変更しても変更サイトのみ影響を受け、他のサイトには影響しません。
最大アップロードサイズを変更する場合は、他のサイトへの影響がない.htaccessの変更(編集)をおすすめします。
ただし、エックスサーバーの場合、.htaccesの編集は可能ですが、サイズを指定すると500のサーバーエラーとなったので、絶対に.htaccessは変更しないでください。(詳細は後述参照)
エックスサーバーはphp.iniを修正して最大アップロードサイズを変更します。
最大アップロードサイズ(容量)の変更手順
では、レンタルサーバーごと(エックスサーバー、ConoHa WING、ロリポップ)に、最大アップロードサイズの変更手順を解説していきます。
エックスサーバーの変更手順
サーバー | プラン | 編集可否 [php.ini] | 編集可否 [.htaccess] | 最大アップロードサイズ (規定値) |
---|---|---|---|---|
エックスサーバー | スタンダード | 〇 | × | 1GB(1000MB) |
エックスサーバーでは.htaccessを変更してはいけない(タップで詳細を確認)
エックスサーバーでは、.htaccessを変更すると以下のエラーになります。
.htaccessで最大アップロードサイズを変更できないようになっているのかもしれません。
php.iniで変更できるので、.htaccessは変更しないようにしましょう!
エックスサーバーでphp.iniを変更(編集)する手順です。
php.iniの変更(編集)
以下のサーバーパネルのURLにアクセスして、ログインします。
「php.ini設定」をクリック。
php.iniを編集するドメインの右にある「選択」するをクリック。
以下の画面で、最大アップロードサイが確認できます。
- memory_limit
-
PHPアプリ(WordPress)が使用するメモリの上限値で、次の2項目(post_max_size、upload_max_filesize)以上の値になるように入力します。(3項目同じ値でも構いません)
- post_max_size、upload_max_filesize
-
最大アップロードサイズを指定する項目で、同じサイズを指定します。
エックスサーバーでは、最大アップロードサイズは規定値で1G(1ギガバイト)とかなり大きく確保しています。
念のため、変更手順を解説します。
2GBに変更する場合は赤枠の3項目に2Gと入力して、「確認画面へ進む」をクリックし、次の画面で「変更する」をクリックします。
「ConoHa WING」の変更手順
サーバー | プラン | 編集可否 [php.ini] | 編集可否 [.htaccess] | 最大アップロードサイズ (規定値) |
---|---|---|---|---|
ConoHa WING | ベーシック | 〇 | 〇 | 32MB |
続いては、「ConoHa WING」の変更手順です。
「ConoHa WING」では、php.ini、.htaccessの両方で最大アップロードサイズを変更できるので、その手順を解説します。
ここでは例として、最大アップロードサイズを1000MB(1GB)に変更します。
php.ini、.htaccessの両方とも編集できすが、他のサイトへの影響がない「.htaccess」の変更(編集)をおすすめします。
.htaccessの変更(編集)
まずは、おすすめの「.htaccess」の変更(編集)です。
「サイト管理」メニューでは、最大アップロードサイズを変更したいWebサイト(ドメイン)を選択しておく必要があります。
「サイト管理」メニューをクリックし、選択されているドメインを確認します。
違うドメインが選択されていたら(タップで展開)
違うドメインが選択されていたら、次の手順でドメインを切り替えます。
「切り替え」をクリック。
切り替えたいドメインの左にある「切り替え」をクリック。
「サイト管理」メニューの「サイト設定」をクリックし、① ~ ④を操作したら、「保存」をクリック。
- 「応用設定」タブ
- 「.htaccess設定」
- 「編集」アイコン
- サイズ1,000MB(1GB)の、以下の3項目分の指定を貼り付け
php_value memory_limit 1000M
php_value post_max_size 1000M
php_value upload_max_filesize 1000M
php.iniの変更(編集)
次は、php.iniの変更(編集)手順。
なお、php.iniの変更では、「サイト管理」でどのサイト(ドメイン)を選択していても構いません。
以下のコントロールパネルにログインします。
「サイト管理」→「サイト設定」をクリック。
※この時、選択されているドメインはどれでも構いません。
① ~ ④を操作し、「保存」をクリック。
- 「応用設定」タブ
- 「PHP設定」
- 「編集」アイコン
- サイズ1,000MB(1GB)の指定(以下の3項目)を貼り付け
memory_limit = 1000M
upload_max_filesize = 1000M
post_max_size = 1000M
ロリポップの変更手順
サーバー | プラン | 編集可否 [php.ini] | 編集可否 [.htaccess] | 最大アップロードサイズ (規定値) |
---|---|---|---|---|
ロリポップ(CGI版) | スタンダード | × | 〇 | 20MB |
ロリポップ(モジュール版) | スタンダード | × | × | 100MB |
ロリポップ(LiteSpeed版) | ハイスピード | × | 〇 | 100MB |
ロリポップは、php.iniの変更(編集)はできません。
さらに、PHPの実行タイプによっては、.htaccessの変更(編集)もできないものがあります。
上の表に書いているように、PHPの実行タイプが「モジュール版」の場合は、規定値から最大アップロードサイズが変更できません。
ロリポップのPHP実行タイプを確認する(タップで詳細を確認)
ロリポップのPHP実行タイプは以下の手順で確認できます。
左のメニューから「サーバーの管理・設定」(①)→「PHP設定」(②)とクリック。
バージョンに、PHPの実行タイプが表示されています。
なお、契約しているプランによって、利用できるPHP実行タイプが決まります。
PHPの実行タイプが「CGI版」と「LiteSpeed版」の場合は、「.htaccess」を変更(編集)して最大アップロードサイズを変更できます。
ただし、「CGI版」は、.htaccessの編集が可能となるように、事前にphp.iniのフラグををONに変更する必要があります。(次の手順で解説)
.htaccessの編集を許可する(CGI版のみ)
では、CGI版の場合に、php.iniの「php_value, php_flagを利用可能にする」をONに変更します。
「ロリポップのユーザー専用ページ」にログインします。
左のメニューから「サーバーの管理・設定」(①)→「PHP設定」(②)とクリック。
サイズを変更したいドメイン(サイト)が「CGI」と表示されていることを確認し、「設定」をクリック。
一番下の「php_value, php_flagを利用可能にする」を「On」(①)に変更し、「php.iniを設定する」(②)をクリック。
「.htaccess」を変更(編集)(CGI版、LiteSpeed版)
では、.htaccessを変更(編集)します。
引き続きユーザー専用ページで、「サーバーの管理・設定」(①)→「ロリポップ!FTP」(②)をクリック。
インポートしたいドメイン(サイト)をクリック。
「.htaccess」をクリック。
最大アップロードサイズを200M(200メガ)にする場合は、以下の3行を編集画面の後ろの方に追加して、「保存する」をクリックし、その後の変更確認画面で「OK」をクリックします。
php_value memory_limit 200M
php_value post_max_size 200M
php_value upload_max_filesize 200M
まとめ
ここまで、「All-in-One WP Migration」でインポートできる最大アップロードサイズの変更方法を紹介しました。
エックスサーバでは、よっぽどWebサイトのデータが大きくない限り、規定値の最大アップロードサイズ(1GB)のままで問題なく「All-in-One WP Migration」でインポートできるでしょう。
「ConoHa WING」は最大アップロードサイズの変更が可能なので、こちらもインポートも特に問題ないです。
ロリポップだけはPHPの実行タイプによって、最大アップロードサイズの変更ができないので注意が必要です。
「All-in-One WP Migration」を使った、エクスポート/インポートの詳しい手順を以下の記事で書いているので、エクスポート/インポートの際の参考にしてください。