この記事では、致命的問題が発生したWebサイトをエックスサーバーの自動バックアップで完全復旧する方法について、くわしく解説していきます。
レンタルサーバーはエックスサーバーを対象としています。
2025.02.23)復旧(復元)手順をシンプルな手順に修正した。
Webサイトは、PHPファイルの修正やプラグインのアップデートなどで、いきなりアクセスができなくなることがあります。
また、不正アクセスなんかされると、
- どのファイルが改ざんされているのかわからない
- どれがマルウェアファイル(バックドアなど)なのかわからない
- どうやって復旧すればいいのかわからない
という問題が発生して、
クリーンな状態への復旧が非常に難しくなる
ことがあるんですよね。
でも、エックスサーバーを使っている場合、不正アクセスが直近2週間以内に発生したのであれば、自動バックアップからクリーンな状態のWebサイトに復旧することができます。
- エックスサーバーを利用している
- サイトの問題の発生が直近2週間以内である


この条件に該当する場合、クリーンなWebサイトに復旧させることができますよ!
正常な状態への復旧に悩んでいる人はぜひ参考にしてください!
エックスサーバーの自動バックアップの特徴
エックスサーバーの自動バックアップの概要や、使いかたについては上記公式ページに詳しく書かれています。
ここでは、公式ページから自動バックアップの特徴をざっくりまとめてみました。
特徴 | 詳細 |
---|---|
無料で使える | 全プラン標準で無料提供 |
1日1回バックアップ専用サーバーにコピー | サーバー上のデータを1日1回バックアップ専用サーバーに自動コピー(深夜実行) |
契約したその日から自動でバックアップ開始 | 手続きや申請は不要 |
バックアップデータを一定期間保存 | 過去14日分保存 |
バックアップデータはサイトデータ、MySQLの2種類 | サイトデータ:サーバー領域データ(Web・メールデータ) MySQL:MySQLデータベース ※画像参照 |

自動バックアップの注意事項
自動バックアップの注意事項は以下の通りです。
バックアップデータの保存期間は14日間分
全プラン共通で、自動バックアップデータの保存期間は過去14日間となっています。
ただし、古いサーバーを継続利用している場合は、保存期間が7日間となるので注意してください。

上の画像は、新デザインのサーバーパネルにログインした時に、トップページに表示されるサーバー情報です。
画像のように「最新サーバー環境をご利用中です。」と表示されている場合は、バックアップデータの保存期間は14日間です。
「最新サーバー」と表示されない場合で、サーバーホスト名が画像に書かれているものに一致(古いサーバー)する場合は7日間となっていることがあるので、注意してください。
サブディレクトリ、サブドメインも同時復旧
今回は、不正アクセスされた特定のサイト(ドメイン)を復旧していきますが、そのドメインの中にサブディレクトリ、サブドメインがあった場合、どちらのサイトも一緒に復旧されるので、注意してください。
削除したメール/FTPアカウントは復旧できない
今回の復旧とは関係ないですが、メールアカウントやFTPアカウントを削除してしまうと自動バックアップでも復元することはできません。
アカウントの情報はバックアップデータの中に含まれるものではなく、エックスサーバーのシステムで管理されていると思われるからです。
バックアップした日以降に受信したメールは削除される
これは当たり前のことですが、復旧対象のバックアップ日以降に受信したメールは、復元によって削除されます。
削除されて困るようなメールがある場合は、自動バックアップではなく手動バックアップで現在の「サーバー領域データ(Web・メールデータ)」を保存してください。
自動バックアップからの復旧が完了した後に、手動バックアップで保存したメールデータのみをアップロードすることで受信メールの削除を回避できます。
バックアップデータの確実な保全は保証されていない
毎日1回専用サーバーへ自動バックアップされますが、
そのため、バックアップは自動バックアップだけにまかせるのではなく、自分自身で定期的にバックアップをとることも重要となります。
復旧に向けた準備作業
復旧に向けて、以下の準備作業が必要です。
これから、サーバーパネルにログインして準備作業を行いますが、2024/11/5に提供開始された新デザインのサーバーパネルを使って手順を解説します。
以下のサーバーパネルのURLにアクセスして、ログインします。
MySQLのデータベース名を確認
MySQLデータベースの復旧に必要となるデータベース名を確認します。
①~③の順にクリックし、復旧するWebサイトに紐づくMySQLのデータベース名を確認します。

復旧対象のバックアップ日を確認
クリーンな状態で自動バックアップされた日を確認します。
①~④の順にクリックし、問題のないクリーンな状態の日がバックアップされていることを確認します。

WordPressを自動バックアップで復旧する
では、いよいよ自動バックアップからWebサイトを復旧します。
また、クリーンな状態の完全復旧を目指しているので、以下の2つのバックアップデータを復旧していきます。
- サーバー領域データ(Web・メールデータ)
- MySQLデータベース

①サーバー領域データの復旧
1つ目は、サーバー領域データ(Web・メールデータ)を復旧します。
①~⑤の順にクリックして、復旧を開始します。
※②は復旧対象のバックアップ日を選択
※④は復旧するサイト(ドメイン)を選択

「注意事項を確認した上で実行する」をクリック。

これで復旧が開始されますが、サイトの規模によっては時間がかかることあるのでしばらく待ちます。

復元が完了したら!
「履歴」タブをクリックして、状況が「正常」となっていることを必ず確認しましょう!

②MySQLデータベースの復旧
2つ目は、MySQLデータベースを復旧します。
①~⑥の順にクリックして、復旧を開始します。
※⑤は「②サーバー領域データの復旧」で選択した日と同じ日を選択すること!

「注意事項を確認した上で実行する」をクリック。

これで復旧が開始されますが、サイトの規模によっては時間がかかることあるのでしばらく待ちます。

復元が完了したら!
「履歴」タブをクリックして、状況が「正常」となっていることを必ず確認しましょう!

復旧結果を確認する
復旧が完了したので、以下のポイントでサイトを確認します。
- トップページが表示される
- WordPressの管理画面にログインできる
- ログイン後に、エラーや警告などのメッセージが表示されない
- メールを使っていた場合、メールの送受信が問題なくできる
まとめ
Webサイトの変更(プラグインのアップデートやPHPファイルの修正など)や、不正アクセスなどによりサイトへのアクセスができなくなった場合、復旧が難しいことがあります。
そんな時こそ、2週間分保存されている自動バックアップデータから復旧を試してみましょう。
問題が発生してから2週間以上経過するとクリーンな状態を復元することは難しくなりますが、日頃からサイトの安全性をチェックしてすぐに異常な状態を感知できるようにしておきましょう!
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